「先用後利」は保険営業における新規開拓の基本 ~300年の伝統、富山の売薬に学ぶ・その1~

By suzuki
57歳の新人・鈴木啓司

57歳の新人・鈴木啓司

2011.7.11

こんにちは。

i-support代表、株式会社アイブリッジ顧問の鈴木啓司です。

前回は、保険営業に限らず、営業戦略の柱である「お客様本位」は消費者の権利を尊重する消費者基本法を理解することが前提であり、消費者の権利を踏まえた「お客様本位」でなければならないということをお伝えしました。

今回は、保険営業における新規開拓の基本は「先用後利」をお伝えします。

保険営業だけでなく、営業にとって新規開拓は最重要課題であると同時に、最も苦労を伴う営業活動であることに間違いはありません。

私自身、新規開拓に保険営業33年間の保険営業活動を通して最も心血を注ぎ取り組みました。

一般に、新規開拓を苦手とする保険営業の方が多いように感じますが、私は新規開拓の基本にあることを置くことで苦手ではなく、むしろ得意とすることができました。

それ故、数多くの新規開拓に対する保険営業方法を考案実施し数々の成功を収めてきました。

では何故、私が新規開拓を得意とし、多くの成功を収めることができたのか?

それは、私が新規開拓の保険営業方法を考案する際、新規開拓の基本として「先用後利」を基本理念に置き考案し実行したからです。

私が保険営業において新規開拓の基本に置いた「先用後利」は、1688年の元禄時代から現在まで300年以上脈々と受け継がれている、「用いることを先にし、利益は後から」という富山売薬業の基本理念です。

そもそも「先用後利」は、富山藩二代目藩主前田正甫公が医薬品産業創設の理念として掲げたもので、まずはお客様に喜ばれる効き目のある良薬を作り、それを薬箱に入れてお客様に預け、次回の訪問の時に使った分だけ代金を請求するという優れた新規開拓の仕組みです。

売り手が良薬と言っても、初めて会う人を誰が信用するでしょうか?

ですから、良薬を作り、まずは効き目のある薬だと納得してもらってお客様から信用・信頼を得ることが先決であり、一度使って効き目があったら、信用・信頼を得て代金を支払ってもらえるし、その後も使うだけでなく、売薬人に体調不安を相談してもらえるかもしれません。

つまり、先に使用してもらい、あとで代金を頂く「先用後利」は、初めて会うお客様に信用・信頼してもらい取引を成立させる「新規開拓」にはうってつけの仕組みであり、保険営業において「新規開拓」の基本とすべき営業方法と言えます。

子供のころ、我が家に富山の売薬人さんが定期的に訪問してきましたし、薬箱もありましたので、この置き薬商法は知っていましたが、新人の営業社員として東北地方に赴任している時に、私自身が初めて会った富山の売薬人さんから勧誘され、使った分だけ後から払うのであればと新規顧客になるという経験をしました。

保険営業では初めて会った人がその場で契約してくれることは在り得ないことです。

この経験を通して、保険営業として新規開拓を最大課題として取り組んでいる私は、富山売薬業のこの仕組みに感心しつつ興味を持ちました。

そうしたことから富山売薬業の営業方法を学び、富山売薬業の理念である「先用後利」という言葉を知り、私自身が初めて会った売薬人というセールスと契約した事実を踏まえ、これこそ、保険営業として「新規開拓」の基本に置くべき営業方法だと気付いたのです。

以来、私は、事前準備や調査や学習をしっかり行い、まず、初対面となる新規取引先の皆様に喜んでもらえるサービスや資料・情報提供を重ね、信頼を得ることに専念しました。

そうすることで、効率よく新規開拓に成功したと確信しています。

保険営業において新規開拓は効率が悪く労も多いものですが、営業の華であり、最大課題であるからこそ、前向きに楽しく挑戦すべきものと考えます。

前向きに楽しく「新規開拓」に挑戦するのに「先用後利」はうってつけです。

売り手の独りよがりの根性で売ったり、売ると同時に利益を得ようとするのでは、新規開拓というステップが「大きな乗り越えることが困難な壁」となり、誰でも乗り越えることが困難になります。

ですから、先に喜んでもらい信用・信頼を得て「利」は後からの「先用後利」を基本に置き、新規開拓という大きな壁に対し、事前準備とサービス・情報提供など工夫を凝らした小さな乗り越えやすい階段を作り、一つ一つ信用・信頼を積み重ねるスッテプを踏む営業方法を考案し実施していくことが、結果として新規開拓を成功させる早道になるのです。

さらに、初めて会った未取引のお客様が「先用後利」で取引客になってもらえたら、その後も、「先用後利」で取引を続けると、より信頼が積み重ねられてリピート率が向上します。
そればかりか、新規取引先の紹介まで発生することが期待できます。

最近の「先用後利」の事例で興味深いのは、初めての方には売らない化粧品会社の営業方法です。(以下は私の解釈による営業方法であることをご承知ください)

  • 効き目のある人には効く化粧品を作る
  • 大々的に宣伝し興味を持ってもらう
  • 興味のある人には無料で試供品を送り試してもらう
  • 使ってみて効果を実感し納得した人だけに商品を買ってもらう
  • 効果があり納得した人だけが買うのでクレームがない
  • 利用者が友人に口コミで無料の試供品の申し込みを薦める

皆さんもこの事例はご存じと思いますが、これこそ「先用後利」を活用した優れた新規開拓の営業方法と思います。

保険営業でこの方法は用いることはできませんが発想は参考になります。
保険営業における「先用後利」を活用した事例は別の機会にお伝えしますのでそれまでお待ちください。

さて、長々とお伝えしてきましたが、「先用後利」は「信用・信頼を売り、安心を買う」保険営業における新規開拓の基本だということがご理解いただけたでしょうか。

元禄時代より今日まで活き続ける「先用後利」を改めて見直し、ご活用いただけたら幸いです。

本日は、ここまでとします。

関連記事:懸場帳が教える保険営業の基本「顧客情報管理」の重要性 ~300年の伝統、富山の売薬に学ぶ・その2~

本日の気付き:
保険営業において新規開拓は大きな階段にせず、「先用後利」を新規開拓の基本として、事前準備や喜ばれるサービス・情報提供など工夫を凝らした小さな越えやすい階段にして、一つ一つ信用・信頼を積み上げるスッテプを踏む営業方法を考案し実施していくことが成功への早道

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